ツルハシを振る。

涼しい。


もはや「涼しさを感じること」ただそれだけで、生きててよかったと思えるほどに暑かった夏は終わった と思いたい。思いたかった。


今日は定休日。夏休み中の息子1号を連れていく場所として、涼しいから久しぶりに足助にでも行こう と行ってみたら、急に晴れてきた。暑い。夏は終わらない。


君は晴れ男か。(まぁ名前に晴れが書いてあるから、そうなのかもしれない。)


ここは山間部とはいえ暑い。それは稲武も同じだが、標高差が300m以上あると、さすがに暑く感じる。足助と言っても広いので、山の上の方に行けばまだ涼しかったのだろう。





我々のような稼業向けによくある金言に、鉱脈を見つけるべくツルハシを持って岩壁を掘り進み、もう少しで見つけられる!と言うところで諦めた人と、諦めずに進んだ人とで明暗が分かれる と言うものがある。


ただ、その表現には肝心なところが抜けている。

奈落へと崩れ落ちる地面がだんだんと自分に迫ってきており、足元にそれが及ぶ前に鉱脈を見つけ出さねばならない という点だ。

地面のことが書いてない。


まぁ、「地面」が何を指すかは人それぞれだろうが、ここでは言及しない。


とにかくツルハシだけは何があろうと振り続けるべきだ。

めちゃくちゃに頑張ってツルハシを振っているようでは体力と筋力がもたない時もある。ただそれでも頑張る。

しかし息をするようにツルハシを振れるのがベストだろう。そこには自分と仕事との適性が問われる。


「僕らは別に”ゴミ拾いするぞ!”と思ってゴミ拾いしてるわけじゃないからなぁ」と言う人もいる。海のゴミからモノを作り出す人たちだ。

ちなみに僕は、同じような作業をクオリティを保って永遠に繰り返すことができる人間である。

逆に言うと、総合力が必要な仕事には、信じられないほど向いていない。



最近、文章を書きたい という願望が以前に増して強くなってきた。

これは、誰かに見せたい読んでほしい とか、考えをシェアしたい というような欲求とは全く正反対で、あくまで自分の内にあるものを表現する手段として、文章は自分にとって適していると実感しているからだ。


書くことに対して苦痛を感じたことはほぼ無い。(自分が対価をもらえる仕事としてやっている作業についても同様だ。)


書くことで纏まる。

書くことでロケット鉛筆の先頭を出し切り(表に出たがっている想いを出し切り)、後ろにあるものが前に出て新鮮な空気を浴び、明瞭な光を受けて輪郭が現れる。

書き終わるまで何が完成するかはわからないが、完成したものを見て、自分自身がそれに納得している。


逆に言うと、書くことをやめると、後ろに並んでいるストックがだんだんと腐ってくる。輪郭は見えないまま、モヤモヤだけが残る。



僕は普段、自分の考えを喋ることなんてほとんどない。

表現として「喋る」があまりにも適していないので、まず喋らない。


逆に、表現として「書く」ことはとても適している。

信じられないかもしれないが、「喋る」と「書く」とでは全然違う。




そんな”喋らない”土本が、今年の豊田のアウトドアフェスタではエンディングに30分喋る役になってしまった。(まだオフレコかもしれないが、いいよね主催のチエミさん)


ただ結構ユルい感じでもオッケーっぽいので(だよねチエミさん)、まぁ生まれたところ(何gで生まれて とか)から自己紹介しておけば30分くらい軽く過ぎるよな と思っています。


とまぁそれは冗談で、一応自転車シーンを20年ばかり見てきて今感じている事を喋ろうかなぁ と思っています。

そこにはいろんなジャンルに共通する部分がありますので、聞いていて不快にはならないだろうなぁ という手応えを、まだ喋る前なのに感じています。


ただ僕は所詮気分屋なので、全く別の事を喋るかもしれません。


このトーク時間は、食べたり飲んだり店に入ったりしながら、なんとなーく聞こえてくるなぁ と言う程度で聞いてもらえたらいいっぽいので、まともに聞かないでね(ハート)






では今日はこんな感じで、皆様ごきげんよう。

豊田市稲武の自転車屋 土本自転舎

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