俺は老害。

太っとーいタイヤの自転車の修理のご依頼を受け、しばし預かること2週間?ほど。


自転車小僧の時分からずっとスポーツサイクルへ愛着がありまして、スポーツサイクルの機敏性や佇まいに憧れを持ち始めて、自分でバラから組み立てられるようになった中学生あたりから、ママチャリや実用車の良さに気づきました。狭い世界ながらその中でも視野が広がる様を言葉に例える術を持ち得ていないので、事象として書いてしまえばただそれだけのことなのですが、小さな枠の中で起こった割とどうでもいいことですが気づきを得たわけです。


そして2週間前に修理のご依頼を頂いた車体は、時々窪塚洋介と共にSNSで視線の脇に流れてきていたもので、自転車業界の閉鎖空間に全く違うアプローチから流れてきたそれは、身に纏っているものが、枠の中のみで成長している自転車業界のものとは違う雰囲気でした。


スポーツサイクルが作り上げてきた価値観とは違うアプローチから、普段自転車が必要ない人たちに対して如何に自転車に乗せるか を考えて作られたものには、多少の荒さを感じつつも僕ら(スポーツサイクル業界の中の人)が学ぶべき要素が入っているような気がしてなりませんでした。


このオーナーの方は、元々他ジャンルのプロメカニック。自転車を買ったはいいけどどうもおかしい という気づきのもと当店をご用命くださいました。餅は餅屋で励みになります。ありがとうございます。




さてちょっと話を変えて、、近すぎて探索を後回しにしていた道を、どうせ道などないだろうと飲み物も持たず歩いて入ってみたわけですが、

いやはやびっくり。いいところでした。

喉がカラカラ。

こんなにいいところだなんて全く知らなかった。

町内なので「あそこの藪の先はどうなってるのか」を聞いてみたことは幾度となくあるのですが、皆さんにとっては当たり前にあるところなので、「あぁあそこはねぇあのまぁちょっと道があってねぇ」くらいのことでした。


稲武に歴史あり。

話は戻って、いろんなジャンルや年式の自転車を扱えたり知識がある自転車店は実は貴重な存在です。(自分で言うな)

うちは、自転車であれば基本なんでも修理を受けます。キャリアが長いのと、前述した通り古い自転車などにも割と知識があるからです。


自転車店以外の小売店にて自転車の新車販売をしているお店の皆様、自転車は、箱から出して、前輪とハンドルを組み立てて、ヘッド、ハンドル、ブレーキ、変速機、サドル、タイヤ、ライト、カギをチェックしたら乗れる なんて思ってはいけません。自転車はきちんと組み立てなくても下手に走行できてしまう故、落とし穴は少しずつ少しずつ口を広げて、しまいには事故になってしまいます。


今はいろんな媒体で組み立ての方法を見ることができますが、書いてある(言われた)通り、ああすれば「こうなる」 とは限りません。新車販売だけではなく修理の数をこなさないと、新車は組み立てできません。



以上、33歳の老害発言をお許しください。


それでは明日もよろしくお願いいたします。

土本自転舎

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