やっぱ俺稲武好きだわ。小田木人形座に感じた地元愛

だいぶ前の話になりますが、稲武地区の一つ 豊田市小田木町で開催された、小田木人形座 旗揚げ公演へ、いなぶサイクリングクラブのメンバーと共に自転車で行ってきました。


稲武の中心地、稲橋町から自転車で30分ほど。坂しかありませんが、SURLYたちと電動自転車とでのんびりと行きました。稲武の気候がまたのんびりサイクリングにピッタリでした。


SURLYが並んだのでパシャリ

↑当店で修理カスタムをさせていただいたLong Haul Trucker と、当店のツアー用レンタサイクル兼自分の自転車Straggler650B


資料によると、小田木町で100年以上続いた人形浄瑠璃は、全国的な飢饉(1875年)により出された倹約令のため、娯楽文化である公演は途絶えたそうです。

その小田木人形座を復活させようと2013年に地元が立ち上がり、岐阜や長野、大阪などの人形座から協力を得て、今回の旗揚げ公演が実現。


サイクリングで公演に向かったためにカメラのレンズは小さいものを選択、それが仇となって舞台の細かなところは撮影が叶わず。


しかしこの日の活気、待ってました!と聞こえんばかりの熱気に今日この時この場所に居ることを僕らは喜びました。レンズの失敗など全く気にならない。

これだけ素晴らしい公演を行うまでにかなりのドラマがあっただろうと思われます。

1875年から公演ができなくなった文化を、立ち上げるその熱気。



今日、とある事情で奥三河で起業をした方達からお話を伺う機会がありました。


山村地域で起業、となると、地域課題の解決をどうしても付随させられやすい。


それに対して NO!と明確におっしゃった方がいました。

「起業の動機として、地域課題の解決が先に出てきて、自分のやりたいことが後になるのはおかしい」「起業の動機と地域課題解決を絡める必要なんてない」と。

確かにその通りだと思った反面、一概にそうとも言えないこともあるよなぁ、というか違うよなぁと、考えさせられました。


僕の話になりますが、自転車屋をずっとやりたいと思い続けて、山里の自転車の需要なんて街に比べると圧倒的に少なくて大変なことが多いとわかりつつ始めて、うまく行かないことしかないけど自分がやりたい仕事だからやっている。


ので、自分がやりたいことはもうやらせてもらっている。



一方、独身で稲武に移住をしてから、地元の方に少しずつ認知され、名前を覚えてもらい、愛称で呼ばれ、地区の活動に参加をしては誉められ、先日は少しだけ重要な役もやらせてもらえた。結婚をして子供も生まれ、稲武でずっと暮らすつもりでいる自分がいる。


稲武のあらゆるいいところをたくさん知っている自負があり、また地域が受け入れてくれたおかげで今があることも重々分かっている。


稲武に課題があるとして、自分がやれる得意分野でそれを解決できるなら、僕は努力したい。


そう思うのは普通のことで、僕の場合は「自転車」というツールで、地域課題解決に自分なりに取り組む。

そういう動機での起業や取り組み、活動があってもいいと思う。


移住はしたけど地域の活動には関与しない という人もいるけど。まぁガッツリ関与すると大変な地域もあるようなので、程々がいいと思うんですが。


新鮮な空気、豊な自然、鳥の囀りが聞こえる生活だけをとって、火事の対処、清掃活動、さまざまな役割をやらない というのはどう考えてもフェアじゃない。


それを認めてはいけない気がする。




人形浄瑠璃を見て、その熱意と地元愛から成った完成形をみて、感度の薄い僕でもそれなりに漠然と感じたことが、今日の出来事で明確になった。



やっぱ、俺稲武好きだわ。

豊田市稲武の自転車屋 土本自転舎

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